第18回 講師:上瀧秀貴 (25期生)身近な食中毒対策=知れば得する生活の知恵=

日 時 9月17日(火) 19時~ 
テーマ 身近な食中毒対策=知れば得する生活の知恵=
講 師 上瀧秀貴 (25期生)総合衛生対策協会 理事

<概要>
 城南高校在学中は水泳部に所属、京都府内の大学卒業後、山崎産業株式会社へ入社。同社が環境用品の総合メーカーで、衛生対策用品、医療・介護福祉用品等を広く扱うことから、一般社団法人総合衛生対策協会理事を兼務することになった。
 食中毒とは、細菌やウイルスなどの何らかの有毒・有害物質などが含まれる食べ物や飲み物を口にすることによって、発熱、腹痛、下痢、嘔吐(おうと)などの症状が現れる病気のことをいい、細菌性ではカンピロバクター、サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌など、ウイルス性ではノロウイルスなどが知られ、自然毒としてはふぐ毒(テトロドトキシン)、カビ毒(アフラトキシン)などが知られている。
 食中毒対策の例として、食べ放題の焼肉店では、トングの使い回しを避けることや生肉ドリップ(細菌を多く含む液体)をの付着を避けるための食材配置がなされているなど、飲食店従事者の衛生意識は徐々に高まりつつあるが、個人所有のスマホは最も不衛生とされており、衛生対策の観点から従事中の個人スマホ操作は厳禁として頂きたい。
 また、飲食店で害虫が出た場合、多くは害虫対策(殺虫剤散布)のみが行われがちであるが、なぜ害虫が潜んでるか、という根本的な解決策(清掃等の衛生対策の徹底)の実施を推奨する。
 例えば、キッチンや生板などを洗浄する場合、除菌剤(塩素系・アルコール系)を使用するが、除菌剤のみでは菌自体の完全除去はできないため、必ず「洗剤」で完全洗浄してから除菌剤を使用することを習慣化して欲しい。これは、除菌剤のみではキッチンや生板に付着した肉や食物のたんぱく質は除去できないからであり、これに菌が付着したままとなるためである。
 また、業務用冷蔵庫の冷蔵部分が三段式である場合、上段の食材から中段・下段への食材へ菌が落下汚染することを防止するため、上段には汚染が最も少ないとされる「調理済の料理(煮物やケーキ類)」、中段には比較的除菌処理がされている新鮮野菜や刺身類、下段には菌の付着が考えられる「生肉類」「生卵」を置くことが推奨されており、家庭用冷蔵庫でも同じだという。生卵は流通されないもの(牧場や個人飼育のにわとりの卵)は殻の除菌がなされていない場合が多く、殻にはサルモネラ菌が付着している可能性がある。
 ほか、調理の際には手洗いや除菌、食材の温度管理など、日ごろから衛生面に留意することが一番である、と述べられた。以上