日 時 6月18日(火) 19時~
テーマ 熱中症=命を守るために=
講 師 河野俊也(12期生)
元大塚製薬㈱ 学術部長
<概要>
城南高校在学中はサッカー部所属、西南学院大学卒業後に大塚製薬へ入社。ポカリスエットを担当したとき、発汗作用に対し水分補給が遅れて死に至るケースが非常に多いことに驚き、本格的な研究を始めることになった。
熱中症とは気温や湿度が高い環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)の減少や血液の流れが滞るなどして体温が上昇し、体内の重要な臓器が高温にさらされることにより発症する障害の総称をいう。めまいやだるさなどの症状から死に至るケースまであり、危険性が十分にある。
熱中症による死亡数は年々増加傾向にあり、近年では年間1,600人にも及ぶ。この増加傾向は地球温暖化による平均気温の上昇率に比例しているとされており、1993年まで国内では年間100名未満が続いていたが、1994年を境に年間600名を超え、2010年以降は年間1,000人を超えている。
過去、強い直射日光に長時間当たるなどで体調を崩すことを「日射病」や「熱射病」と呼んでいたが、熱中症という用語は1994年に日本体育協会が最初に使い、徐々に統一され2005年に定着したとされる。
熱中症を防ぐためには、水分や塩分をこまめに補給することが重要であり、水を一気にがぶ飲みすると、逆に体内の塩分濃度が薄まり、これを調整しようと体内から水分を出そうとする(尿や汗など)。これが脱水症状を引き起こして症状が悪化するという。喉が渇いたと感じる前に、こまめな水分補給が最も効果的だという。
もし症状が軽い段階であるならば、水ではなく、ナトリウムと糖質を含む飲料水を補給することが効果的であるという。
また、寝不足、二日酔い、肥満、高血圧、朝食を抜いた、などの時は、要注意状態であり、日ごろから体調管理に留意して生活することが一番である、と述べられた。
以上
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